熱心な啓蒙活動により、感染症を予防!?【“新札”の横顔⑤】

19世紀に世界的に流行していたペストは、高い致死率と感染力をもつ伝染病として、人々に恐れられていました。1899年には、日本でもペストの侵入が報告されましたが、当時の政府の迅速な対策により、無事に終息しました。

この迅速な対策には、北里柴三郎博士の活躍が大きく関与していました。北里は1894年の香港でのペスト調査の経験を活かし、ペスト予防に関する専門的知識の普及に努めていたのです。北里の働きかけにより、ネズミを捕獲すると金銭がもらえる制度や、ネズミ退治のための猫の飼育に補助金が出る制度が制定されました。これによって、ネズミがペスト菌を運ぶ存在であることが広く認識され、感染拡大の防止に一役買いました。

さらに、北里はペスト以外の伝染病の予防方法についても、熱心に啓蒙活動を実施しています。当時不治の病として恐れられていた結核の予防・治療法を広めるべく、「結核退治絵解」というイラストを使ったポスターを発行しました。この記事のカバー画像にもなっているこのポスターは、白金キャンパスの北里柴三郎記念博物館に展示されています。実物に触れることで、知識や技術を実践の場で活かし社会に還元する「叡智と実践」の姿勢を深く理解するきっかけになるかもしれません。興味のある方はぜひ足を運んでみてください。

※この記事は、2023年3月23日に「KITASATO BRANDING PROJECT」のブログに掲載された記事の再掲です。

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