クラウドファンディングプロジェクト実施中!人も、犬も、猫も。がんにならない未来をつくるために、ゾウとクジラの謎に挑む。

人や犬、猫の未来に役立てるために、あえてゾウやクジラを研究する――。そんなユニークな発想から、北里大学獣医学部 獣医生化学研究室の吉川泰永准教授は、新しい研究に挑戦しています。

多くのがん研究者は、人や犬、猫、あるいはマウスなどのモデル動物を使って、がんになる仕組みや治療法を探っています。そんな中、吉川准教授が注目しているのは、ゾウやクジラです。

実は、ゾウやクジラは体が大きく長寿であるにもかかわらず、がんになりにくい動物として、研究者や動物園関係者の間で知られていました。本来であれば、体を構成する細胞の数が多く、生きる時間も長いほど、がんになるリスクは高くなるはずなのに、なぜ彼らはがんになりにくいのか。

この謎を解き明かし、人も犬も猫も、誰もががんにならない未来をつくるため、現在獣医生化学研究室では、クラウドファンディングに挑戦しています。

Readyforプロジェクトページ 目標金額:200万円 / 実施期間:2026年6月10日〜7月25日

■「がんになる仕組み」ではなく、「がんにならない仕組み」を探る。

吉川准教授が獣医学を志したきっかけは、子どもの頃に飼っていたうさぎでした。動物病院に通う中で「話せない動物を治せる獣医師はかっこいい」という憧れから、獣医学の道へ進みます。

大学では研究の面白さに惹かれ、がん研究の道へ。さらに、実家で飼っていた秋田犬を骨肉腫(骨のがん)で亡くした経験から、「治すだけでなく、そもそもがんにならない仕組みを知りたい」と考えるようになりました。そして、様々な動物の遺伝子を比較したところ、ゾウはDNAの傷を治す経路が他の動物と違うという報告があったことに着目しました。

しかし、一般的ながん研究は人やマウスなどを対象に行われ、ゾウやクジラを研究する人はほとんどいません。細胞や試料の入手が難しく、研究環境も十分に整っておらず、険しい道です。

それでも吉川准教授は、ゾウの細胞には大きな可能性があると考え、5年間にわたり研究を続けました。

その挑戦に共感し、研究室のメンバーも集まりました。この独創的な研究に可能性を感じた北野泰佑助教、乳腺腫瘍の研究を通じて生命現象のメカニズムそのものに興味を持った朱子達さん、愛猫をがんで亡くした経験から「がんにならない仕組み」を知りたいと考えた南直弥さん。現在は4人で研究を進めています。

そして2025年、ついに「がんにならない仕組み」の手がかりをつかみました。

吉川准教授と北野助教が、ゾウはDNAの傷を修復する仕組み自体に、人や他の動物とは異なる特徴があるという研究成果を得ました。これは、がんになりにくいことに繋がっている可能性があるのです。

そして、ゾウと同様にがんになりにくい動物として知られるクジラにも着目しました。

この発見をさらに深め、ゾウやクジラに共通する仕組みを解明できれば、人やペットのがん研究にも新たな可能性が広がります。

■未来の“がんにならない社会”へ

獣医生化学研究室が目指しているのは、ゾウやクジラが持つ特別な仕組みの全体像を理解することです。

その先に、人や犬、猫などのがん予防や新しい治療法につながる可能性があります。

ゾウやクジラが持つ「がんから身を守る仕組み」は、生き物の不思議を解き明かすだけでなく、未来の獣医学や医学に新たな可能性をもたらす研究でもあります。

がんになりにくい動物たちが持つ、DNAの謎。その謎を解き明かす挑戦が、未来の医療を変える一歩になるかもしれません。


研究メンバーからのメッセージ

吉川泰永准教授

私たちは、がんにならない未来につながる研究を目指しています。そもそもがんにならない仕組みを探るという研究の性質上、まだまだ入口段階です。だからこそ、一つひとつの発見を積み重ねながら、この謎を解き明かして広く社会に貢献したいと思っています。クラウドファンディングでは、「がんにならないことに注目して、それを応用してがんがなくなるような世界を作りたい」という我々の思いに共感してくださるお声を沢山頂戴しました。その声を伺って、このプロジェクトの方向性は間違っていなかったんだなと嬉しく感じています。そして、研究を止めずに前へ進めていきたいと思いをさらに強くしています。是非お力をお貸しください!

北野泰佑助教

人や犬や猫などはがんにかかると病院へ行くため、研究の対象となるデータを集めやすいのですが、この研究はゾウやクジラを対象とするため、どうしても研究を進めるにあたっては新規の研究費が必要となります。それゆえにオリジナリティが高く、これまでにないがん研究だと思っています。これまでにないアプローチだからこそ、新しい成果が期待できると信じて、応援してくださるみなさんの希望や夢を、研究の推進力に変えていきたいと思います。クラウドファンディングでの目標までは5合目までのところまで来ました。残りの日数は限られていますが、応援のほどよろしくお願いします。

朱子達さん(北里大学大学院獣医学系研究科 獣医生化学研究室 大学院生4年生)

今回、クラウドファンディングを通して、この研究を皆さんに知っていただいたことで、本当に多くの方からあたたかい応援のメッセージをいただき、とても感動しています。また、「ペットのがん研究につなげてほしい」という声も多く、研究への期待を感じています。挑戦的な研究分野ですが、もし仕組みを解明できれば、本当に多くの人や動物の役に立つ研究になると信じて日々取り組んでいます。

南直弥さん(北里大学獣医学部 獣医生化学研究室 学部6年生)

獣医学部では実際に動物を診る機会があります。その中には、今の医療では打つ手がない患者や家族と出会うこともありました。現状できる治療の限界を感じて、私自身、歯がゆい思いや悔しい思いをすることも多いです。私はそんな思いをこの研究にぶつけています。長い道のりですが、新しい知見を得て、これまでとは全く違う治療法につなげていきたいです。あまり類を見ない研究で、世界的なインパクトも期待できると考えていますので、是非応援していただけるとうれしいです。


クラウドファンディング情報

北里大学獣医学部 獣医生化学研究室では、ゾウやクジラの「がんになりにくい仕組み」の解明を目指し、READYFORにてクラウドファンディングを実施しています。

研究の詳細や支援方法はREADYFORプロジェクトページをご覧ください。

Readyforプロジェクトページ 目標金額:200万円 / 実施期間:2026年6月10日〜7月25日

集まったご支援は、DNA修復機構の解析や遺伝子・タンパク質解析など、研究の推進に活用されます。

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