
未来のサイエンスを担う北里大学の学部生や大学院生、若手の教員らが自身の研究成果を発表したり、学部や学科の枠を超えて交流を図る「第38回北里大学バイオサイエンスフォーラム」が8月21~22日の2日間、十和田キャンパスで開かれました。今回は2日目の様子をレポートします。
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若手研究者をつなぎ、新たな「知」を生み出す 第38回北里大学バイオサイエンスフォーラム 初日レポート(上)
■研究成果を英語でプレゼン
2日目は、今回のフォーラムで初めての試みとなる「北里研究者サミットDocTALK」が行われ、博士課程の大学院生30人が出席しました。「DocTALK」は、北里大学の博士課程に在籍する大学院生が、英語による研究プレゼンテーション、キャリアセミナー、交流会に参加する“目玉企画”です。
このプログラムは、国際的な研究発信力の強化と、将来のキャリア形成を支援することを目的としており、参加者同士のネットワーキングの場としても重要な役割を果たしています。

「皆さんはネイティブではないので間違えてもいい。自分が思ったこと、練習してきたことを言えばいい。(中略)完璧な答えは期待していませんから。元気いっぱい発表してください」。
「DocTALK」を企画した砂塚敏明学長があいさつをした後、博士課程の大学院生たちの英語プレゼンがスタートしました。

登壇した博士課程の大学院生たちは、英語でまとめた研究成果のスライドを見せながら、堂々とした口調で発表。壇上を歩きながら、アグレッシブに発表する大学院生の姿もありました。
発表が終わると、英語による質疑応答の時間が待っています。スムーズに英語で回答できる人もいれば、そうでない人もいます。それでも、発表が終わるたびに温かい拍手が送られ、会場全体で健闘をたたえ合いました。

「DocTALK」に参加した医療系研究科の原勇輔さんは、「作成したスライドを英文校正でチェックし、プレゼンテーションの練習は毎日3回すると決めて、事前の準備を頑張りました。日常では英語で発表する機会がないので、国際学会で英語プレゼンをする場面を想定した場を用意してもらえたのは貴重な体験でした。ネイティブではなく日本人の先生が英語プレゼンを評価してくれるので参加しやすいです」と話しました。

海洋生命科学研究科の青木一永さんは、「英語での口頭発表をしたことがないので、とても緊張しました。ネイティブが多い海外の学会でいきなり(英語プレゼンを)やる前に、DocTALKで最初のステップを踏ませてもらえたのが良かったです。今回の発表に向けて共同研究をしている台湾の研究者に英語を聞いてもらって、意見をもらいながらプレゼンに挑みました。質問対策として英語の回答を複数用意していましたが、想定と違う質問ばかりでした」と苦笑いでした。

砂塚学長は、「DocTALKを通じて、学部を超えた博士課程の研究者同士の出会いが生まれます。北里大学で切磋琢磨する者同士が『お互いに頑張ろう』と思えるし、研究のモチベーションが高まることにつながります。博士課程の研究レベルが底上げされれば、大学全体の研究レベルも上がるのです」と言葉に力を込めます。
■若手奨励賞と学長賞を選出
会場では、1日目に続いて「若手奨励賞」候補者たちの研究発表が行われました。全員が発表し終わると、いよいよ授賞式です。「若手奨励賞」の受賞者は19人、「DocTALK 学長賞」は2人選ばれました。


学長賞に選ばれた海洋生命科学研究科の髙内さつきさんは、「本当にうれしいです。英語でのプレゼンはとても緊張しましたが、良い訓練になりました。医療系の学部が集まる中で、海洋生命科学部はマイナーな存在ですが、”医療系だけではなく海洋も頑張っている”ということを伝えられたと思います。今回受賞できたことで、ますます努力しようという気持ちが強まりました。来年は博士課程3年になるので、研究の集大成に向けて頑張っていきたいです」と声を弾ませました。
学長賞について、砂塚学長は「いずれの発表も、研究内容の充実度や英語力はもちろんのこと、多様な分野の研究者が集まるオーディエンスに対して、分かりやすく、かつ楽しみながら聴ける工夫が取り入れられており、審査員から高く評価されました。異分野研究者との融合こそがイノベーションを生み出す。今回の企画に込めた想いに合致した、素晴らしい発表でした」と語りました。
■将来の選択肢を広げるキャリアセミナー

英語プレゼンの後は、博士課程の学生を対象にした「キャリアセミナー」があり、博士人材のキャリア開発などを手掛ける「エマージングテクノロジーズ」の深澤知憲・代表取締役社長が、博士人材の活躍の幅が広がっていることを紹介しました。
大村智記念研究所の千成恒講師(生物有機化学)は、北里大学の博士課程の時に1年休学をして米国に語学留学に挑戦したことや、その後カリフォルニア大学バークレー校で研究に励んだことなどを伝えたあと、「現状にとどまらないで、新たな挑戦をしていくことが大事」と、学生らにエールを送りました。
東京大大学院で博士号(生命科学博士)を取得した後、ビジネススキルを学ぼうと外資コンサル会社に就職。現在は国内のベンチャーキャピタル(VC)で活躍する吉川真由さんは、京都大学に進学した時に視野が広がり、発展途上国を旅して回ったエピソードを披露しました。仕事との向き合い方や、キャリア形成への考え方などを伝えました。

参加した博士課程の大学院生からは「とてもためになったし視野が広がった」「5年後、10年後の(博士課程の)成功者の姿を見ることができた」「キャリアの選択肢がこんなにあるとは思わなかった」と好評でした。
2日間にわたって盛り上がりを見せたバイオサイエンスフォーラム。来年は相模原キャンパスでの開催が決まっています。
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