大学教育の「正解」を疑え。成田修造氏と渡辺教授が描く、これからの教育――未来工学部特別講義レポート(下)

 「これからの時代は先生なんていらない」「従うというマインドになった瞬間に社会の波にのまれる」など鋭いメッセージが投げかけられた、特別講義「アントレプレナーシップ講座」。

 北里大学未来工学部の渡辺豪教授が、起業家・エンジェル投資家として活躍する成田修造さんを講師に迎え、2025年度に全4回で行われた特別講義です。

【これまでの記事はこちら】

「遊び心」が未来を創る。起業家・成田修造氏と考える、これからの大学とアントレプレナーシップ――未来工学部特別講義レポート①

 アントレプレナーシップとは、ビジネスの枠を超え、創造性や革新性を基にした新たな価値を生み出す力です。

 未来工学部では、社会の最前線で活躍するゲストを招き、研究で学ぶデータサイエンスが実際のビジネスやテクノロジーの現場でどう活かされているのかを知る特別講義を行いました。

 学生たちは、真剣なまなざしで成田さんの一言一言に耳を傾けていました。学生たちそれぞれの“刺さった一言”とともに、2分のダイジェスト動画でお届けします。

どうして今、北里大学でアントレプレナーシップについての講義を行ったのか?

渡辺教授と、成田氏による対談を見てみましょう。

■対談 「北里らしくない」ヤツが、未来を変える。

渡辺: 実は成田くん、僕の高校のバスケットボール部の後輩なんですよ(笑)。当時から目立ってましたけど、大企業に行く人が多い中で、彼は起業して、その中で挫折も経験してる。今の学生って、一度失敗すると立ち直れない子も多いから、そこからどう這い上がって今のステージに立ったのか、その「気概」を伝えてほしくて。いやあ、呼んでよかったです。

成田: ありがとうございます(笑)。

渡辺: 学生たちに、何か伝わった手応えはありますか?

成田: そうですね。僕や僕の周りの人たちって、学生が普段接している大人たちとは少し毛色が違うと思うんです。そういう「ちょっと違う大人」がどう考え、どう動いているのか。その事例をたくさん知ってほしくて、今回はあえて学部長と6人のゲスト、あわせて7人と対談する形にしました。これで学生の心に火がつくかどうかは、彼ら次第ですけどね。

 ■「生命科学の大学」で、なぜアントレプレナーシップ講座をやるのか?

渡辺: 未来工学部を作ったとき、この講義はどうしてもやりたかったんです。でも、生命科学がメインの大学で「起業家精神(アントレプレナーシップ)」をやるのって、実はかなりチャレンジングで。そこでパッと顔が浮かんだのが、挑戦し続ける成田くんでした。 学生には、良い意味で「北里の学生っぽくないね」って言われるようになってほしいんですよ。

成田: みんな、ちょっと「硬い」ですよね(笑)。いわゆる「テンプレ通りの大学生」にはなってほしくない。大学を使い倒すのはいいけど、究極、大学がなくても自分の人生を自分で歩んでいける人が増えないといけないと思うんです。

渡辺: そのメッセージ、学生たちにも響いたと思う。こんなに大人数の講義なのに、休む人がほとんどいなかった!これ、すごいことなんです。最後に、そんな学生たちにメッセージをもらえますか?

成田: この講義を休むなんて論外ですけど(笑)、大事なのは今日・明日からこの学びを生かせるかどうか。しっかり自分の中に落とし込んで、「来年の自分」をどう変えていくか、考えてみてもらえたらなと。

 ■最後に、日本の教育界へ一言!

成田: 今の教育業界は、昔のシステムのまま硬直化していると感じます。大学が、もっと遊び心を持って、「社会の変革者たる大学」であることを体現する試みをどんどんやって、それに学生たちがついていくようになっていくといいんじゃないかなと。旧来のシステムをできる限り壊してほしい!

渡辺: ありがとうございました!

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