持続可能な未来に向けて――北里大学 ×長崎大学包括的連携協定締結式レポート

 2025年12月1日(月)、長崎大学文教キャンパスにおいて、国立大学法人長崎大学との包括的連携協定締結式が行われました。今回の協定は、感染症・公衆衛生といった両大学が強みを持つ保健医療分野を中心に、教育・研究や人材育成を協力して進めることを目的としています。

【プレスリリース】長崎大学と北里大学 感染症・公衆衛生などを含む保健医療分野を中心とした教育研究に関する包括的連携協定を締結はこちら

 

■両大学の歴史と共通点

長崎大学と北里大学には、医療・感染症研究の領域で長年日本を支えてきたという大きな共通点があります。

長崎大学は、1857年にオランダ人軍医であるポンぺ・ファン・メールデルフォールト氏が開いた医学講義を出発点として、日本最古の医学部を持ちます。そして現在に至るまで日本の近代医学の発展に大きく寄与してきた大学です。

一方、北里大学は、細菌学の世界的権威であるローベルト・コッホに師事し、破傷風菌の純粋培養および血清療法の開発に成功した北里柴三郎博士が創設した研究所を原点とし、日本の医学・感染症研究の発展を牽引してきました。

今回の連携は、その両大学の歴史を受け継ぎながら、未来に向けて新たな一歩を踏み出すものとなります。

保健医療の分野以外にも、両大学には意外な共通点があります。
それは、どちらも海に根ざした「海洋系学部」を持っていること です。
長崎大学には水産学部、北里大学には海洋生命科学部があり、海や生き物と向き合う学びが受け継がれてきました。

これまでも、北里大学海洋生命科学部の学生が洋上実習で長崎を訪れ、長崎大学水産学部の練習船「長崎丸」に乗船し、先生方や学生と交流しながら実習を行うなど、学びを通したつながりが続いてきました。

【動画】実習の様子はこちら

これらの共通点やつながりもあり、締結式開始前から和やかな雰囲気で交流が進みました。

 

■締結式の様子

締結式での協定書への署名は、両大学を代表して長崎大学永安武学長、北里大学砂塚敏明学長により行われ、未来に向けた協働への強い意志が感じられる場面となりました。

永安学長は「感染症や公衆衛生学で卓越した研究業績を上げている北里大学との協定を通じて、世界の健康と持続可能な未来に貢献していきたい」と述べ、両大学のこれまでの歩みと取り組みを踏まえながら、長崎大学がテーマとして掲げる、人と地球の健康「プラネタリーヘルス」へ繋げていく意欲を語りました。

砂塚学長は「熱帯医学の権威である長崎大学とタッグを組めることは、この上ない強力な連携であると自負しています。この協定が、地球規模で人類の健康に寄与できる取り組みに発展することを願います」とコメント。北里柴三郎博士の弟子である野口英世先生や、ノーベル賞生理学・医学賞を受賞した大村 智北里大学特別栄誉教授らが築いてきた“熱帯感染症への挑戦”という北里の歩みにも触れました。

両学長の挨拶に続き、今後の具体的な連携プランについて説明がありました。

長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科の北 潔教授は、若手研究者の交流・人材育成を進めつつ、創薬・感染症分野をはじめとして幅広い領域で共同研究を行うことで、アフリカ地域における感染症の制御や公衆衛生の向上を通じた国際貢献活動に繋げていきたいと展望を示しました。

北里大学の高田史男研究・国際交流担当副学長は、両施設に関わる人々が明治時代から密接な繋がりを育んできていた歴史を紹介したのち,近年の抗マラリア薬の創製をはじめとするこれまでの共同研究に触れながら、熱帯病の治療薬開発や日本の天然物ライブラリーの確立を行い、社会に貢献できるようにしたいと意欲を語りました。

締結式には複数のメディアが集まり、質疑応答も活発に行われました。地域の関心の高さがうかがえるとともに、両大学が社会から寄せられている期待の大きさを実感する場となりました。

今回の連携強化により、感染症対策、グローバルヘルス、地域医療などの分野で両大学の強みが掛け合わされ、教育・研究のさらなる発展および地域社会への貢献が期待されます。

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